2009年03月09日
Don't be afraid !
先日、「ベンジャミン・バトン゛-数奇な人生」という映画を観た。
正直あまり観たいと思わなかった。というも、主人公が生まれた時が老人で、その子がだんだん若返って、最後は赤ん坊になって死ぬという設定にリアリティーを感じられなかったからだ。
おそらく大人のファンタジーだろうと思っていた。にもかかわらず、上映時間の都合で、この映画を観るはめになった。
ところが、私はこの映画の冒頭で、この作品は、リアリティーでもファンタジーでもなく、フィロリフィーだということに気づいた。それは映画の初めの方でも語られている。
「どんな人間でも、たった一人で何も持たずに死ぬ。その誰にとっても同じゴールに向かって生きてゆくのが人生。そのゴールまでの道のりが人それぞれに違うだけだ。」と。
改めて突きつけられると、「わかっています。」と答えてしまいがちな命題なのに、実は日常生活に追われ見失っていることが多い。
それを、有り得ないようなストーリー設定をすることで、より強くこのメッセージを届けようという作者の意図であり、「どんな人生を生きても最後は同じ所へ行くのだから、何も心配せずにあなたらしく生きなさい。」と言う励ましでもある。
最近のハリウッド映画は、金融危機あたりを境に、拝金主義に対する反省と、人生の尊さを謳いあげる映画が目立って増えてきている。その流れの中で「おくりびと」はジャストな幸運だったとも言える。昨年度の出品だったら、審査員は選んでいなかったように思う。
ベンジャミン・バトンのような数奇な例を探さなくとも、よくよく考えてみれば、動物や昆虫や植物でさえ何年後かに地球ごと破滅するにもかか割らず、同じ地球上で人間から見ると不可思議というか数奇というか、生態をくり返している。
癌細胞も宿主が死ぬまで成長し続け一緒に死んでゆく。
どうせ死ぬならそんなに増殖せずに共生すればいいのに、死へ向かって一直線に走る。
癌も私たちからすると数奇なヤツだ。
しかし、人間そのものが地球上の生命からすると最も数奇なのかもしれない。
そう考えるなら、実はどんな人であっても普通とは言わないにしろ、数奇ではない。ただ、あなたらしいということだ。
ならば、ならばですよ、自分の人生に起こる困難は全てあなたらしく生き切る人生の全ての糧であり、真正面に向き合うことが最もおいしい生き方と言えよう。
どんな生き方をしても、どんな恵まれた人生も、万人等しく同じゴールのテープを同じように切る。
「Don't be afraid !」 「You are a lucky guy.」
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